Folk Rock

名盤探訪記7. Vince Martin / Vince Martin

名盤探訪記7枚目は、フレッド・ニールの僚友として知られるヴィンス・マーティンの73年のソロ2作目“Vince Martin”。

ヴィンス・マーティンは1957年にタリアーズをバックに「シンディ・オー・シンディ」をヒットさせたことで知られています。その後1960年代初頭にはフレッド・ニールとのデュオでさらに広くその名を知らしめます。彼らの1964年のアルバム「Tear Down The Walls」は主にフレッド・ニールの曲で構成されており、ジョン・セバスチャンも参加しています。この作品は後のフォーク・ロックの流れに大きな影響を与えた作品となりました。

本作は69年の1st「If The Jasmine Don’t Get You…The Bay Breeze Will」に続いて73年に発表されました。フォークをルーツとしながら、ゆったりと気持ちよ〜く聴ける良作です。アンサンブルもいいなーと思って何気なく聴いていたのですが、クレジットを見て納得、参加ミュージシャンが豪華!ジェフリー・コマナー(リードギター)、クリス・ダロウ(ドブロ、マンドリン、ギター、ピアノ、フィドル)、さらにヴァン・ダイク・パークス(マリンバ)、ジョン・セバスチャン(ハーモニカ)、極めつけはハンク・ウィリアムズ(コーラス)。さすがフォーキーの大御所、人脈が広いですね。

ほぼ全曲でヴィンス・マーティンがギターとピアノで弾き語り、3ピースのシンプルなアレンジの曲もありますが、豪華ミュージシャンの名演が聴ける曲がアルバムを印象づけます。A1 Givers & Takersでのクリス・ダロウのドブロとジェフリー・コマナーのギターの掛け合い、カリプソ調のA3 Leaving Songでのヴァン・ダイク・パークスのマリンバ、A5 Catch Me I’m Fallin’でのクリス・ダロウのフィドル、ジョン・セバスチャンのハーモニカ。B1 You Wonder Whyもドブロとハーモニカが効いています。B2 Fayettevilleではクリス・ダロウはマンドリンを弾き、B3ではスライド、B4ではピアノまで、この人はすごいですね。超マルチプレーヤー、高田漣のような人ですね。そうするとヴィンス・マーティンは細野晴臣ですね。一流には一流のフォロワーということですね。ついつい演奏面が中心になってしまいましたが、各楽曲、全編通しての流れも素晴らしいですが、特にB3 Now She’s GoneからB5 Roy’s Songで締めくくる流れは最高です。

大きな大木のもとに、素晴らしい音楽を奏でる小鳥達が集まった、そんな情景が思い浮かぶ、グッド・タイム・ミュージック、必聴です!!

Vince Martin ‎– Vince Martin
Label:Capitol Records ‎– ST-11181
Country:US
Released:1973
Genre:Folk Rock

Vocal,Guitar,Piano – Vince Martin
Bass – Duke Bardwell
Rhythm Guitar – Jeff Comanor
Dobro,Mandlin,Lead Guitar,Piano,Fiddle – Chris Darrow
Background Vocals – Venetta Fields
Saxophone – Sidney George
Drums – Buddy Helm
Twelve String Guitar – Eric Hord
Background Vocals – Clydie King
Bass – Charles Larkey
Marimba – Van Dyke Parks
Harmonica – John Sebastian
Drums – Kelly Shanahan
Background Vocals – Hank Williams
Produced By Vince Martin
Executive Producer – Ken Sasano
Engineer – John Wilson
Piano,Flute – Maribeth Solomon
Bass – Mark Lams
Drums – Russ Kunkel
Producer – Peter Asher

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名盤探訪記5. Tony Kosinec / Bad Girl Songs

名盤探訪記5枚目は、カナダの名シンガーソングライター トニー・コジネクの70年の2nd “Bad Girl Songs”。

トニー・コジネクはイギリスのリーズ生まれ、生後6ヶ月でカナダのトロントに移住。20歳の時にトロントのライブハウスに来ていたエリック・アンダーソンに自作を披露する機会を得て、その場に居合わせたNYCの人気DJ マレー・ザ・Kが即座に契約を申し出たという逸話の持ち主。その後コロンビアから発表した1stは決して悪くはないのですが、本作と比較するとだいぶ見劣りする印象です。トニー自身も1stの出来には全く満足していなかったそうです。

2ndはジェイムズ・テイラー、リンダ・ロンシュタット、ダニー・コーチマー、J.D.サウザーなどのプロデューサーとして有名なピーター・アッシャーと出会い、彼のプロデュースによりロサンゼルスで製作されました。シンプルなアレンジで、一部プログレッシブな展開をする曲ありますが、アコギ1本のシンプルな曲もあり、アルバム全体としてはロックというよりはフォーキーな印象が残ります。カナダのソングライターはアメリカのソングライターに比べ、どこか繊細で美しく、冬を感じる(雪景色のイメージ)のですが、ブルース・コバーンやレナード・コーエンに通ずるところもありつつも、そのメロディセンスと楽曲構成のセンスは別格であり、最初の逸話も納得できます。

A1 The World Stillはプログレッシブな展開で始まり、A2 I Use Herはアコギとピアノのアンサンブルがとても美しい曲です。タイトル曲のA3 Bad Girls、A4 Come And Goもイントロからアメリカ人にはない感性を感じ、静かな曲の中にも緩急がある曲の展開は秀逸です。B1 Gemini At Painsはピアノとフルートが美しい静かなフォークロック曲ですがラストのピアノソロはベースも絡みジャズ調に展開します。B2 Me and My Friends、B3 Dinner Timeも本当にいい曲で、B4もB5もB6も、、、言い出すとキリがない、、簡単に言ってしまうとこの人は天才ですね。。

不遇の天才が生み出したフォーク・ロックの宝石箱とも言うべき名盤中の名盤、必聴です!!!

Tony Kosinec ‎– Bad Girl Songs
Label:Columbia ‎– CS 30277
Country:US
Released:1970
Genre:Folk Rock

Vocal,Guitar – Tony Kosinec
Piano,Flute – Maribeth Solomon
Bass – Mark Lams
Drums – Russ Kunkel
Producer – Peter Asher

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