名盤探訪記10. Barbara Barrow & Mike Smith / Mickey And Babs Get Hot

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名盤探訪記10枚目は、バーバラ・バロウ&マイケル・スミスのまたもや夫婦デュオの74年作”Mickey And Babs Get Hot”
やっと10枚目、目標のペースには遠く及びませんが、まずは小さな山を超えた気分です。

前回のマルダー夫妻は1曲を除いてカバー曲でしたが、本作は1曲を除いて全てマイケル・スミス作詞作曲(うち1曲のみバーバラとの共作)で、ソングライターとしてのマイケルの魅力を堪能できる素晴らしいアルバムです。マイケルは本作にも収録されているスティーヴ・グッドマンの名曲で、数々のアーティストにカバーされた”The Dutchman”の作者として知られています。彼はニュージャージーの荒れたファクトリータウンの出身で3人の妹がいましたが、父親を早く亡くし苦労したのだと思われます。その生い立ちは彼の1994年のアルバム”Michael, Margaret, Pat and Kate”で語られているそうなので聴いてみたいですね。カトリックスクールを出た後に、高校時代にギターとロックに出会い、プレスリー、ロイ・ロジャースの影響を受けます。高校卒業後、一家はフロリダに引っ越し、マイクはフォークに傾倒し、キングストン・トリオ、ハリー・ベラフォンテの影響を受けます。彼がやっていたPPMスタイルのトリオのメンバーの一人がバーバラでした。やっと出会いましたね。。彼の生い立ちがすごく面白かったので、細かく追ってしまったのですが、彼の音楽性の幅広さ、慈愛に満ちた歌詞表現の理由がわかった気がします。

アルバムの内容は本当に素晴らしいですね。他のレビューでスワンピーというものもありますが、おそらく二人のボーカル、特にバーバラの声質がそう思わせているような気がします。アレンジは様々ですが、ベースにはフォークがあると感じます。A1″Steal Away”はギターの音色やスライドの入り方、楽曲の展開など、後期のビートルズやジョージ・ハリスンっぽいです。プロデューサーのヒュー・マクラッケンがリードとスライドを弾いていますが、彼はローラ・ニーロ”イーライと13番目の懺悔”、ポール・サイモン”時の流れに”、ビリー・ジョエル”ストレンジャー””ニューヨーク52番街”やジョン、ポール、ヨーコの作品にもギタリストとして参加しています。またA2″Mom and Dad”はケニー・アッシャーの美しいピアノ、バーバラとマイケルの掛け合い、ハーモニー、特にバーバラのボーカルが最高で、ザ・バンドの”Weight”級のいい曲です。A4″Honeydew”はアコースティックなアンサンブルですが、とにかく曲がよくて、ケニー・アッシャーのクラビネット、エリック・ワインズバーグのペダルスチールがものすごくいい雰囲気を作っています。ケニー・アッシャーのピアノはA5″Save My Child”やB5″Dutchman”でも効いていますが全編で大活躍ですね。B1″Osceola’s Last Words”はA面とは違う始まりを感じさせ、B2″Blazing Guns”は少しダサい感じのロックナンバーですが癖になる感じです。B3″The Ballar of Dan Moody”は6分20秒の大作で、A4同様フォークっぽい曲ですね。でもこの曲の最後のピアノはもう良すぎですね。ニッキー・ホプキンスかと思いました。そしてB5″The Dutchman”で締めくくります。最後はピアノ一本でバーバラのボーカルをしっとりと聴けます。ジャケットが生ぬるい感じなので、なんとなく敬遠していましたが、ジャケットからは想像もつかない幅広い音楽性と最高のアンサンブル、楽曲構成です。さきほど出てきましたが、ポール・サイモンの”時の流れに”と並ぶくらいの傑作だと思います。

74年という最高の時代にひっそりと生まれ、強い輝きを放ちながらもジャケットで損している隠れたマスターピース、必聴です!!!

Barbara Barrow & Mike Smith* ‎– Mickey And Babs Get Hot
Label:Bell Records ‎– 1306
Country:US
Released:1974
Genre:
Rock, Folk

Bass – Don Payne
Drums – Rick Maratta
Piano, Organ, Clavinet – Kenny Ascher
Electric Guitar – Bob Mann
Banjo, Steel Guitar, Fiddle – Eric Weissberg
Clarinet – Romeo
Steel Guitar – Mark Horowitz
Backup Vocals – Elizabeth Carigan, Raun McKinnon
Dobro – Paul Prestopino
Producer – Hugh McCracken

■Twitter https://twitter.com/sons_records
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■ヒゲメガネの師匠 おじさんのレコード屋 サンオブスリーサウンズ
http://www.sonofthreesounds.com

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